「誠二っ…その婚姻届よこしなさいよっ!」
『あっ…コラ!』
「スキありっ!」
誠二から奪い取った婚姻届は、
アタシがビリビリに破いてやった。
だって、また何度だって書けるから…
2人の気持ちが変わらないならば、きっといつか本気でサインできるもの。
まだ始まったばかりのアタシ達には、こうするのが調度良い。
「誠二っ!
卒業おめでとう!!!」
ビリビリに破いた婚姻届は、卒業祝いの紙吹雪になった。
ハラハラと舞い落ちる紙吹雪の中で、
『ナツ、やってくれるじゃねぇか。』
そう言って意地悪く笑うアンタが、昨日より愛おしく見える。
愛してるよ…
昨日よりはねっっ!!!



