誠二とは生まれた時から一緒に育ったようなものだった。


アタシと誠二の親は、隣の部屋に住んでたよしみから、同じ年の子を持つ親同士、すぐに仲良くなったらしい。


ウチはお父さんが小3の時に病気で亡くなってしまってから、看護師をしている母が女手一つでビシバシとアタシを厳しく育ててくれている。


誠二の家は、お父さんが外交官をしている関係で、海外に居る事が多く、高校に入ってからは、誠二だけが一人日本に残って、隣の家で一人暮らしをしている。


もともと面倒見の良い母は、そんな誠二を息子同然に思っていて、日本に一人残った誠二の世話を何かとアタシに焼かせようとする。


全く迷惑な話しだ。


アタシだって高校生なのに、何でアタシが誠二の面倒なんか見なきゃならん。


母はアタシを育てる為に、夜勤もこなし、目一杯働いてくれているから文句なんてとても言えないんだけれど。