好きだの嫌いだの、そんな気持ちに振り回されたくないんだよ。
色恋はアンタの専門でしょ?
アタシには専門外なんだよ。
最も苦手なものなんだ…。
アタシを金網に押しつけて、逃げられないように誠二の腕がアタシを囲う。
『何でいつもオマエは逃げる。
こうして逃げられないように囲ってたって、オマエの気持ちはいとも簡単にオレから逃げてくじゃねぇか。
どうすりゃ逃げねぇんだよ…?
教えろよ。
オマエの心ごとオレに寄越せ。
じゃなきゃ…オレはオマエを無理矢理にでもヤっちまうぞ。』
…そんな、泣きそうな顔するんじゃないわよ。
アタシだって、どうしていいか分かんないのよ。
アンタから逃げるなんて事はしたくない、そんな卑怯なマネしたくない。



