一人取り残されたまま唖然と2人を見つめる彼女に、そっと近づいて来たマキが言った。
「宇津木さん、諦めな。あの2人は息が合い過ぎるんだよ。アナタに入り込む余地が無いの分かるでしょ?」
そう諭すと、ポンと彼女の肩に手を置いて宥める間マキ。
息巻いて出て行ったナツが心配で、後をつけて来たらご覧の通り。
「でも、あんなに仲悪そうなのに…。それなのに、誠二君アタシと一緒に居る時よりも、何だか生き生きしてるように見える…。」
2人を見つめる彼女の目は、段々と細められて行く。
「アイツらは仲悪いどころか良すぎるんだよ。誠二はアレが素だぜ?アンタが誠二にどんな幻想抱いてんのか知らねぇけど、本当のアイツはああなんだよ。まぁ、ナツの前でしか出さねぇけどな。」
マキの隣からしゃしゃり出て来た雅也が、更に輪をかけて彼女を諭す。
3人が見ているのも知らず、ナツと誠二のバトルは依然として続く…。



