別れた後もどうしても誠二が忘れられなくて、ケジメをつける為に誠二に最後のキスをねだった事。
そんないきさつを一気に語ると、最後に彼女は、
「最後のキスをして貰ったせいで、余計に誠二君が忘れられなくなってしまった。」と言って、自嘲気味に笑った。
そりゃそうだろう…あんな艶っぽくて情熱的なキスをしていれば。
誰だって勘違いもしたくなる…
本当は自分の事を好いていてくれるんじゃないかって…。
アタシにだってそう見えた。
誠二が彼女を求めて居るように見えるキスだった。
こんないきさつを聞かされて、これから一体アタシに何を言おうと言うのか。
アタシの出る幕はナイと、言われているようなものなのに…。



