しばらくお互いに黙っていたけれど、意を決したように彼女が口を開いた。
「こんな所に呼び出してごめんなさい。」
屋上に呼び出されたぐらいで謝られる言われはないと、「気にしないで下さい。」と首を横に降った。
それから彼女は「聞いて欲しい事があるんです。」と、誠二と付き合い出したいきさつを静かに語り出した。
誠二には言い寄って来る男達から逃れる為に、カモフラージュとして付き合って貰っていた事。
幼なじみの前カレとの痛手を誠二が癒してくれた事。
そして、誠二に別れを切り出された時、前カレに抱かれた記憶を消し去りたくて、誠二に抱いて欲しいと頼んだ事。
そして…
最初はカモフラージュとして付き合っていたハズなのに、いつの間にか誠二を好きになって居た事。



