誠二がアタシを抱きしめる腕を緩めた時には、すでに宇津木さんの姿は無かった。 良かった…。 イヤ良くないけど、全然全くもって良くないけど! 見られてたと思うと、恥ずかし過ぎて顔を合わせ辛い! っつーか、誠二がいつもこう強引だから悪いんだっ! ムカつく!! ふと前を見ると、アタシの目前には誠二の鳩尾が。 …隙ありっ! ドガッ!!! 『ぐっ…。』 宇津木さんが走り去って、油断している誠二の鳩尾を思いっきりブン殴った。 片手を壁に付き、鳩尾を押さえて悶える誠二。 ザマーミロ!