早く呼吸を落ち着かせて、誠二をブン殴ろうとしていた時、
アタシを抱きしめていた誠二が、急に振り返って話し出した。
『見ての通りオレはコイツにドハマり中だから、悪いが宇津木の気持ちには応えられない。』
って…!!!!?
うっ、後ろに宇津木さんが居るぅ!!!!
っつーか、いつから?
いつから居たの?
見てたの?
聞いてたのぉぉ!???
もしかして一部始終を見られて居たのか?と思うと、余りの恥ずかしさに、顔から火が出そうになる。
誠二の後方に居るだろう宇津木さんの様子を伺い知りたいけれど、誠二のデカイ身体が邪魔して見えんっ!!
邪魔だっ!このウドの大木ヤロー!!!
もがくアタシをガッツリ抱きしめるウドの大木。
「それでもアタシっ…。」
かすかに聞こえて来た宇津木さんの声、
そしてバタバタと走り去る足音…。



