とりあえず教室を出て、人気の無い廊下の端へと歩く。
廊下の端にある階段の下は、お昼休みのおかげで今は誰も通らない。
とりあえず人気が無い事を確認して、誠二に振り返ると、
相変わらず飄々とした態度でアタシを見つめていた。
『オマエがオレを呼び出すなんて珍しいじゃねぇか。何だ?愛の告白か?』
…テメエ。
今このタイミングでフザけるとは、命知らずなヤツだ。
「…フザけないで。アンタの躾がなってないせいで、さっき前カノがアタシの所に来たわ。」
アンタがちゃんと手綱握っとかないから、こういう事になるんだろうが!
『だから?』
だから?
…じゃねぇよ!
アタシが睨んでも、動揺一つ見せないアンタの目が憎たらしい。



