ゆっくりと教室の入口で待っている彼女に近づくと、清楚で美人な彼女が少し緊張した面持ちではにかんだ。
「用ってアタシにですか?」
一度も話した事の無い彼女が、アタシに用があるとは思えなかった。
きっと…アタシじゃなくて誠二に用があるのだろう。
「あの、いきなりごめんなさい。今日の放課後って何か用事ありますか?もし良ければ少しお話しさせて貰えないかな。」
ここで今すぐに話せない内容って事か…。
「いいですよ。」
そう返事をすると、安心したかのように、眉を下げて彼女が可愛らしく微笑んだ。
「良かった。じゃあ放課後屋上に来て下さい。ありがとう。」
そう言い残して帰って行った。



