『離さねぇ。マジんなったから後悔すんなっつったろうが。オレはもう容赦しねぇぞ。オマエの恋愛偏差値が上がるのなんて待ってられるか。』
恋愛偏差値んトコは関係ねーだろうが!!!
「ふーん…。こういう強引なやり方で女を落として来たワケ?」
そうやって熱っぽい目で見つめて見せても、どうせ今まで他の子にしてきた事と一緒なんでしょ?
フェロモン系には飽きたから今度は清純無垢乙女なアタシってワケ?
『他の女はこんな事しなくても落ちた。』
ム・カ・ツ・ク!
あっそ、あっそうですかい!
じゃ他の女にしとけや!
「アンタみたいなタラシ御免だよ!アタシは誠実な人がいいんだ!アタシを落としたいならもっと誠実になりな。」
繋いだ手にぐっと力が篭る。
「痛っ…。」
アタシの手が握り潰されるんじゃないかと思った。
それから誠二は怒ったかのように何も話さなくなったけど、学校に着くまで固く繋いだ手を離してくれる事はなかった。



