たった今プロポーズされて、婚約まで申し出されたというのに、全く緊張感というものがないっ! まぁアタシもだけど…。 「これからもずっとアンタと一緒なんてイヤだ。」 本当はそんな事思ってないけど、このバカ野郎にちょっとはカツを入れてやらにゃならん。 『じゃ婚約で決まりな。』 ちょっと! アタシの話を聞けよ! そう思って見上げた誠二からは、いつもは感じない怒ったような冷たい空気が流れていた。