4月○日:新学期スタート

『ねぇ~優、何組やろね―?』
幼なじみの優との何気ない会話。

知華 17歳。
この出会いのない女子校
5年目の春…

優とは小学校以来の仲。
いわゆる“チャリ通学仲間”でもある。

『新しい担任の噂聞いた?
6組が...山口先生 
7組が...飯田先生
8組が...生瀬先生
9組が...新任の先生らしいよ?』

私は、昨晩友達から回ってきた
新しい担任の噂ばかり気にしていた。

「あたしは…誰でもいいかな?笑」
優はそう言った。

私にはとある決意があった。
今まで「○○先生のクラスは嫌だぁ」
といえば、必ずその先生が担任に
なる伝説があった。
だから、今日はその言葉は口にしない。


今年から理系コースに進学した私は
新しいクラスは6・7・8・9組に
限定されていた。

どの先生がいい?と聞かれてみると、
6組の山口先生が良かった。

だから、
『山口先生のクラスは絶対やだよ!!』
と、心にもない事を何度も何度も
口に出していた。


できれば…山口先生のクラスに
なりますように…