彼女の笑顔が俺だけに向けられるものではない
事はよくわかっている。




コンビニの店先で彼女が言ってくれる



「おはようございます」



と、言う言葉も
マニュアルに従って言っているだけだという
事もわかっている。



だが一方では
その言葉に陶然とする自分が存在しているということも



自分には否定できない。




超えようのない壁が
厳然と彼女と俺の前に横たわっている。