イヤだ。なんなのこれ?

 指先が触れる瞬間、低い声に耳をくすぐられる瞬間。



 ぞわっと背筋を這う言いようのない感覚に、あたしはどうすればいいかわからず、本を抱えたままへたりこんでしまった。