「誰かに見られたらどうすんの?!」 もう、いっそその方がいいかもしれない。 そうすれば、淫行教師として瀬川先生は免職され、あたしの高校生活は安泰だ。 なんとなく名案に思えたが、先生にはまったく堪えていないようで。 「倉田が大声さえ出さなきゃ、こんなところに誰も来ないよ」 「じゃあ、大声出しますよ」 「そうしてもいいけど、バラまこうか?」 本棚に頬をひっつけてる状態だから後ろは見えないけど、あたしの脳裏にはにやりとつり上げられた瀬川先生の唇が見えた気がした。 そうして、続けられる。