私は体育座りをしていた膝をグッと自分の方へ引き寄せ、膝をギュッと抱えた。
そして、その上に自分の頭を乗せて顔を先生の方に向ける。
「心配してくれてるの?」
その格好のまま先生にそう聞いた。
「当たり前だろ?」
先生にそう言われて私の胸は“ドキン”と大きく跳ね上がった。
「養護教諭として生徒の体調を心配すんのは当たり前のことなんだよ」
相変わらず先生は、絵を描き続けている。
空とスケッチブックを交互に見るだけで、私の方はほとんど見ない。
急に疎外感が襲ってきて、何だか寂しい。
それに先生は私の体調を心配してくれてたのは養護教諭という立場だからだ。
彼にとって私は“特別”な存在ではない。
ただの“保健室の先生”と“生徒”と、いう関係。
彼にとって私は他の生徒と変わらない大勢いる中の一生徒という存在なんだろう。
わかってる、そんなこと……。
でも何でだろう?
どうしようもない感情、疎外感、寂しさを感じるのは……。