真っ白だったスケッチブックに青色や水色が刻まれて、だんだん空の絵になっていく。
私は目の前に広がる空を見た。
綿菓子のようなフワフワな雲がゆっくりと流れていく。
「先生?」
私は先生の方を見た。
「ん?」
「先生はさぁ、何で空の絵を描いてるの?」
もうひとつ思っていたことを先生に聞いてみた。
「えっ?」
先生はそう言うと、色鉛筆を持つ手を止めた。
さっきまで笑顔だった先生の顔が真顔になっていく。
笑顔で聞いた私の顔からも笑顔が引いていく。
あ、れ?
もしかして聞いたらダメだったのかな?
真顔になった先生はスケッチブックをジッと見つめていて、今にも泣きそうな切ない目をしていた。



