スケッチブックを開いて、絵を見た私の目は、さっき先生と会った時と同じように大きく開かれていった。
すごい……。
スケッチブック一面に描かれた空の絵。
色鉛筆で描かれた優しいタッチ。
なのに写真のようなリアル感もある。
あまりにも凄すぎて言葉が出てこない。
「なっ?だから言ったろ?あんま期待すんなって」
何も言おうとしない私に、先生は笑いながらそう言った。
「ううん」
私はスケッチブックに描かれた空の絵を見たまま首を左右に振った。
「えっ?」
「凄いよ……」
「はっ?凄い?この絵が?」
「うん。凄い!」
さっきから“凄い”しか言ってない私。
それしか言葉が出てこない。
他に言いようがない。



