「どんな絵を描いてるの?」
学生気分が抜けきらない子供っぽい先生が、どんな絵を描くのか興味があった。
「はっ?見たいの?」
「うん、見たい」
「そんなに上手くねぇよ?あんま期待すんなよ」
先生はそう言って、リュックの中からスケッチブックを出してきた。
B5サイズくらいで青い表紙の横向きのスケッチブック。
やっぱりリュックの中には絵を描く道具が入ってたんだ。
「ホントに期待すんなよ?」
そう言ってスケッチブックを差し出す先生。
「わかってるよ」
先生の手からスケッチブックを受け取った。
結ばれてる紐を解く。
ただ、絵を見るだけなのに、何でこんなに“ドキドキ”するんだろう……。
私は、スケッチブックをゆっくり開いた。



