「先生は暇な時、ここに来てるって言ってたけど……ここに来て何してるの?」
「ボーと空や川を見たり……。あと、絵を描いたり……」
先生が草をプチプチちぎりながらそう言った。
「絵?先生、絵を描くの?」
「あ?あぁ。たまにだけどな」
照れ臭そうに笑う先生。
先生の横に置いてあるリュックに目がいった。
大きめのリュック。
初めて会った時も昨日も、このリュックを持っていた。
もしかして、このリュックの中に絵を描く道具が入ってるの?
でも先生の意外な趣味に驚いた。
と、同時に皆の知らない先生のプライベートがわかっていくのが何だか自分だけの特権のような気がした。



