リビングの中は凄く静かだ。


いつも休日は母親がキッチンで朝ご飯を作り、父親はダイニングテーブルでコーヒーを飲みながら新聞を読んでいる。


朝ご飯が出来た頃にお姉ちゃんが起きてきて、家族揃って朝ご飯を食べる。


家族揃って朝ご飯を食べるという両親が勝手に決めた習慣。


表向きは、晩ご飯は皆の帰りのがバラバラで、家族揃って食べれないから朝ご飯だけは皆で揃ってってことだけど……。


本当は……。


学歴主義の両親。


いい大学を出て、いいとこに就職すれば幸せになれると思ってる勘違いな人達。


そんな両親だから、いつも学校のことや成績のこと進路のことを聞いてくる。


これが朝ご飯を皆で食べる本当の理由。


お姉ちゃんは嫌な顔せず話をしてる。


自分達の希望通りに育ったお姉ちゃんに両親もニコニコ顔だ。


お姉ちゃんは両親にとって自慢の娘。


お姉ちゃんの素顔を何も知らないくせに。


すぐにお姉ちゃんと私を比べる両親。


私は、それが嫌で仕方がない。


だから何かと理由をつけて私は家族と一緒に朝ご飯を食べることを避けてきた。


でも今日はそんな両親とお姉ちゃんがいない。


だから気分も凄くいい。


休日はどこにも行かずに部屋にこもることが多いけど、今日は珍しく外に行ってみようと思った。