口の中に、まだ苦味が残ってる。
早く帰って、うがいしたい。
その後、ミルクをたっぷりいれた熱い紅茶が飲みたい。
その願いが通じたのか、停滞中だった車はノロノロと進み出し、先生はサイドブレーキを解除して前の車に続いて車を動かした。
止まることなくノロノロと進む車。
渋滞の原因は何だったんだろう?
先生の車が進むに連れて、その原因がわかってきた。
私の家がある団地に行くために左折する場所の先にパトカーの赤色灯が見える。
「チッ!事故かよ」
先生が舌打ちをしながらそう呟いた。
救急車のサイレンの音がしなかったから、怪我人が出たとか大きな事故ってわけじゃなさそう。
事故処理も終わったのか、さっきの渋滞が嘘のように車が流れ出した。
先生の車は、私が教えた通りにガソリンスタンドを左折した。