タバコの煙りは運転席の窓から外へ出て行く。
先生が私の方へ煙りがこないように気を遣ってくれてるのか、運転席の窓の方へ向かって煙りを吐き出した。
先生の車を外から見えた、運転席側のエアコンの噴き出し口にあるカップホルダに乗せられた黒い筒状のもの。
先生はその蓋を開けた。
蓋を開けると、ブルーライトが光って、先生はその中にタバコの灰を落とした。
「あ……」
それを見て想わず声を出した。
「どした?」
「それって、灰皿だったんだ……」
私は灰皿を指差してそう言った。
「あ?」
先生が私の指差したとこにある灰皿に目を移す。
「あぁ、うん、これ灰皿だけど?これがどうかした?」
「いや、それ何かな?って思って……」
「ふーん」
先生は興味なさそうな返事をして、再び灰皿に灰を落とした。



