長い長いキスの後、私と先生は手をギュッと強く繋いで、どこまでも続く空を見ていた。
生きる意味を知らなかった私。
死ぬことばかり考えていた私。
あの頃、私が見えていた世界は歪んでいた。
心の色は黒く、孤独で……。
屋上で見ていた空は、いつも涙色をしていた。
そんな私が出会ったのは、亡くなった恋人との約束を守るため、空の絵を描き続けていた先生だった。
辛い過去を背負いながら懸命に生きてる先生。
あの頃、先生が見ていた空は何色に見えていたんだろう……。
ねぇ、先生?
今、見ている空は何色に見えてる?
私はね、青く澄んだ空に見えてるよ。
それは先生と出会ったから。
先生に恋したから。
先生が私を救ってくれたから。
先生に生きる意味を教えてもらったから。
暗闇から一歩踏み出す勇気、そして生きる勇気をもらったから。
これから、ずっとずっと一緒に生きていこうね。
約束だよ。
ねぇ、先生。
私は先生の手が離れないように繋いでいた手にギュッと力を入れた。
その時……。
暖かい風がフワッと吹いた。
お墓で吹いた風と同じだ。
顔を見合わせ微笑み合う先生と私。
風が吹いた後、美空さんの声が聞こえた。
『雪、梨音ちゃん、良かったね。2人で幸せになってね。私はいつまでも空の上から見守ってるからね』
って――……。
―END―



