「お待たせ!」
先生は肩で息をしながら戻ってきた。
「梨音?目、瞑って?」
「う、うん」
私はゆっくり目を瞑る。
「手の平を上にして、手を出して?」
「うん」
私は手の平を上に向けて手を差し出した。
手の平に“ポンッ”と何かが乗った。
何だろう?
「目、開けていいよ」
先生の言葉に目をゆっくり開けていく。
開けた目を手の平に向けた。
「先生、これ……」
手の平に乗ってたのは、保健室の合鍵と同じ、赤いハートのキーホルダーの付いた鍵だった。
保健室の鍵とは違う……。
「俺の部屋の合鍵。好きな時に来ていいからな」
「先生……」
鍵をギュッと握りしめる。
「カッコイイ男なら、ここで指輪とか渡すんだろうけど。まぁ、指輪は追い追いにな」
先生がクスッと笑って私を抱きしめる。
「先生、ありがとう……」
嬉しいよ。
どんなに高い宝石よりも凄く凄く嬉しいよ。



