「梨音?好きだよ……。梨音のことが好きだよ……」
私の首に顔を埋めたまま何度も好きという言葉を呟いた。
「せん、せ……」
「梨音のことが好きで好きでたまらねぇんだ。どうしようもないくらい……好きなんだよ……」
「せんせぇ……」
「だから俺から離れないでくれ。俺の傍にいてくれよ……。もう、離れるなんて言わないでくれよ……。俺が梨音を守るから……。俺は梨音の前から絶対いなくならない。離れないって約束するから……。だから、なぁ……梨音……頼むから……」
先生の肩はさっきよりも奮え、声も震えていた。
「せんせぇ……」
グラン、グランと揺れていた振り子はピタッと止まった。
もう迷いはなかった。
私も……。
「私も先生が好き。好きで好きで堪らないよ……。ずっと先生の傍にいたい……」
私は先生の胸に顔を埋めてワンワン泣いた。