「梨音の俺に対する気持ちには気づいてた」
「うそ……。いつから?」
「いつからだったかなぁ……。忘れた」
先生がクスッと笑う。
そんなこと言われて恥ずかしくて顔が熱くなる。
「でも今日、梨音の口から俺のことが好きだって聞けて嬉しかったんだ……。やっぱり両想いだったんだって……」
「うん……」
「けど、梨音は俺から離れようとした。俺を好きになればなるほど俺への気持ちが大きくなればなるほど怖いって……。いつか俺を全てを失うんじゃないかって……」
「うん……」
「梨音?それは、俺も同じ気持ちなんだよ」
「えっ?」
先生も同じ気持ち?
「梨音を好きになればなるほど、愛せば愛すほど、梨音にハマればハマるほど怖かった……。いつか美空みたいに梨音も俺の前からいなくなるんじゃないかって……。この幸せはいつまでも続かないんじゃないかって……」
先生はそう言うと、私の首に顔を埋めてきた。
微かに震えてる先生の肩。
先生、泣いてるの?