「先生?帰っていいよ?」
「はっ?」
私の頭を撫でていた手が止まる。
「私、ここから1人で帰るから……。だから、先生は帰っていいよ?」
「梨音?お前、何言ってんだよ?こんなとこから1人で帰れるわけねぇだろ?」
「帰れる!帰れるもん!だから先生は……」
爽やかな香りが鼻を掠める。
私の大好きな先生の香り。
体が温もりに包まれていて、気づくと私は先生に抱きしめられていた。
“ドキン――ドキン――”
「離して!離してよ!」
先生の体から離れようと体をよじるけど男性の力には敵わない。
「離さねぇよ!」
先生はそう言って、私の体をギュッと強く強く抱きしめた。
「お前さぁ、何、ガキみてぇなワガママ言ってんだよ……」
先生は呆れたように溜め息混じりでそう言うと、再び私の頭を優しく撫でてきた。



