「先生、ゴメンね……」
「あ?何で?」
「迷惑だよね?私が泣いたから……先生、お家に帰れなくて……」
「別に迷惑なんて思ってねぇよ?」
先生はタバコを携帯灰皿に入れると、私の方を見て優しい笑顔を見せた。
何でそんなに優しいの?
目に涙が溜まっていき、視界が歪んでいく。
瞬きすると涙がポロポロとスカートをギュッと握っていた手の甲に落ちていった。
ぽた、ぽた、と次から次へと流れ落ちる涙。
拭っても拭っても溢れる涙。
「あららぁ、泣いたら益々、家に帰れなくなるぞ?梨音ちゃんは本当に泣き虫ですねー!」
先生は泣いてる幼稚園児をあやすようにそう言うと私の頭を撫でてきた。
こんな時でも胸が高鳴りドキドキする自分に腹が立つ。



