「えっ?」
空を見上げる私。
「どした?」
私の声に先生は振り向いて、私を不思議そうに見てる。
「あ、ううん。何でもない」
私は首を左右に振った。
そんな私を見て先生は微笑んで前を向いた。
聞こえた……。
風が吹いた時に確かに聞こえたんだ……。
“雪?大丈夫だよ”
“梨音ちゃん、雪をよろしくね”
って……。
あの声は美空さん?
これが美空さんの答えなの?
私は、ゆっくりお墓の方に振り向く……。
「…………っ!」
両手で口を押さえた。
お墓の前に、白いワンピースを着た女性が立っていて……。
女性は先生の部屋にあった写真に写ってた人だ。
私に良く似ている……。
美空さん……。
美空さんは軟らかい表情で私を見ていた。
そして……。
優しく微笑むと、スーと消えていった。
「梨音!何、やってんだ?」
お墓から、だいぶ行った場所に立ち止まっていた先生が私に向かって叫んだ。
私はもう1度、お墓を見た。
お墓に向かって、ニッコリ微笑むと先生のいるところに向かって走り始めた。



