「せん、せ?」
「ん?」
「ありがとうね……。今まで、ありがとうね……」
私は先生の手をギュッと強く握った。
白くて指が長くて綺麗な手。
先生の温もりが伝わってくる。
胸が“キューン”と締め付けられる。
「梨音?」
先生が不思議そうな声を出す。
「先生と過ごした時間は、忘れない……」
「梨音?ちょ、ちょっと待てよ!」
「1年間、ありがとうね。私、幸せだったよ……」
「だから、待ってて!何で、そんなこと言うんだよ!なぁ、梨音!?」
保健室には先生の叫び声に似た声と私の嗚咽を吐き出す声が響き渡っていた。



