しばらくしてトイレの外に賑やかな声が聞こえてきた。
「先生、またね!」
「バイバイ!」
「また遊びに行くね」
彼女たちは先生にそれぞれ何か言って保健室を後にしていく。
先生は「おぅ!元気でな!」なんて彼女たちに言ってる。
彼女たちの声が、だんだん遠くなっていく。
私はトイレの個室から出て、トイレから出た。
保健室のドアの前に先生がいる。
出会った頃のように私の胸はドキドキ高鳴っていた。
「梨音?」
先生の私を呼ぶ優しい声。
今日は白衣を着てなくて黒いスーツを着てる。
「中、入ろ?」
「うん」
先生は保健室のドアの横にかかってる札を“不在中”にして、私が中に入ったことを確認すると、ドアを閉めて鍵をかけた。



