「梨音?おいで?」
先生はそう言うと、ベッドにもたれかかるようにして座っていた先生がテーブルを前に押した。
「うん」
私は先生の向かいに座る。
「違う、反対」
「えっ?」
「こっちに背中向けて?」
「あ、うん……」
私は先生に背中を向けるようにして座り直した。
先生の脚の間にスッポリ収まった私の体。
後ろから先生がギュッと抱きしめてくる。
「梨音?ありがとう……。プレゼント、すっげー嬉しかった」
「ホント?」
「あぁ。俺、梨音と約束するよ。空の絵を描き続けるって……」
「うん……」
「約束しよ?」
先生は私の前に小指を出してきた。
先生の小指に自分の小指を絡める。
先生。
約束だよ……。



