「おしゃべりはもう終わり」
先生は周りにいた彼女たちにそう言った。
「えぇ~!」
彼女たちの口から不満が漏れる。
「生徒が頭が痛いって来たんだ。ほっといてキミたちと話をするわけにはいかないだろ?」
「せんせぇ?レナも頭痛くなってきちゃった~」
自分のことをレナと言った彼女は、先生に上目遣いで甘えるようにそう言った。
「うそつけ」
先生はそう言って“ペチン”と彼女のおでこを叩いた。
おでこを叩かれた彼女は“先生に叩かれちゃった”と大喜び。
「また月曜日に話を聞いてやるから。だから今日は教室に戻れ」
「はーい!」
彼女たちは納得したように返事をした。
でもドアのとこにいた私の横を通り過ぎる時に、彼女たちの冷たい視線が突き刺さった。



