次の日――。
目を覚ますと、カーテンが開けられた窓から太陽の光が射していて朝だとわかった。
眩しくて思わず目を細めた。
ベッドの上には私しかいなくて部屋の方に目をやると、スーツを着た先生がネクタイを締めていた。
「先生?」
私の声にネクタイを締めながら私の方を見て微笑む先生。
「起きた?」
「うん。おはよう」
「おはよう」
私は上半身を起こした。
昨日、たくさん泣いたせいか目が腫れぼったくて痛い。
「梨音?学校どうする?」
ネクタイを締め終わった先生がベッドに腰掛けてきた。
「今日は終業式だけだし行かない」
「うん、わかった」
先生は私の頭を軽くポンポンとした。
「じゃー俺は仕事に行って来るな?キッチンにサンドイッチ置いてあるから朝飯に食べて?あと、昼飯は……」
先生はスーツのポケットから財布を取り出して、5000円札を私に差し出してきた。
「これで足りる?」
「えっ?何か適当に食べるからいいよ」
「そっか?」
「うん」
先生はお金を財布に戻した。
そして時計を見て「やべっ」と呟くと玄関に行った。