「俺、梨音の笑顔を常に見てたい……。泣き顔や悲しい顔は見たくないんだ……。だから……」



先生はそこまで言うと私の首に顔を埋めた。


益々、熱くなる体。


“ドキドキ”と高鳴る胸。


気を抜くと倒れてしまいそうだ。


でもね……。



「先生?それを同情って言うんだよ?」



私はそうポツリと呟いた。


先生の言葉は嬉しいよ?


けど、やっぱり先生の言葉は同情にしか聞こえない。


先生は私の首に顔を埋めたまま首を左右に振った。


そして、後ろから抱きしめていた腕の力を抜いて、私の体をクルッと反転させた。


向き合う先生と私の体。


先生が私の腰に腕を回して、グッと自分の方に引き寄せた。


私を見下ろす先生。


上目遣いで先生を見る私。


さっきまで後ろにいた先生と向き合ってる。


久しぶりに先生の顔を見たような感覚に襲われ、思わず先生から目を逸らした。