「藤井?どうした?」 先生が座っていた椅子から立ち上がりそう言った。 「……あ、あの……頭が痛くて……。でも、もう治ったみたい……」 嘘だった。 頭は相変わらず“ズキンズキン”と痛んでいる。 開けたドアに体を預けていないと倒れそうで、それに頭が痛すぎて吐き気もある。 苦痛で顔が歪みそうになる。 「……失礼しました」 開けられたドアに預けてた体を離して保健室を出ようとした。 「藤井?待って!」 保健室を出ようとした体がピタッと止まる。 私は再び開けられたドアに体を預けた。