季節は寒い冬を迎えた。


12月――。


街もテレビも音楽もお店の装飾もクリスマス一色。


先生と私は、あれから何事もなかったかのように過ごしている。


放課後になれば保健室に行き、先生と他愛のない話をする。


先生からも私からも美空さんのことを口にすることはなかった。


でも先生は今でも休みの日になると、あの河川敷で空の絵を描き続けている。


それは美空さんとの約束を守るため。


それから美空さんの死を償うために……。