先生の言葉が胸に突き刺さる。
彼女が忘れられないと泣く先生。
“チクチク”痛む私の胸。
「じゃー……何で?」
私の言葉に顔を上げる先生。
切ない顔をして私を見てる。
「ねぇ、先生、何で?何で私とキスするの?何で私とセックスするの?何で私を名前で呼ぶの?ねぇ、何で?」
「それは……」
「先生、答えてよ!ねぇ、先生!」
泣きながら床に座り込み、先生の肩を揺らした。
力無く前後に揺れる先生の体。
何も答えてくれない。
先生が答えてくれなくても私はわかってる。
「美空さんに似た私を美空さんだと思って抱いてたんでしょ?キスしてたんでしょ?美空って呼びたいのを我慢して私の名前を呼んでたんでしょ?先生は、ただ、私と美空さんを重ねてるんだよ……。ねぇ、そうでしょ?先生?」
ドロドロと汚いものが体の中を流れ、どうしようもない感情が込み上げてくる。
――嫉妬。
私は美空さんに嫉妬してるんだ。
この世にいない人に嫉妬してる。
先生に好きになってもらわなくていい。
先生にとってヤれる女でもいい。
そんなことを思っていたのに……。
今の私は嫉妬の塊でいっぱいだった。