「先生、彼女……いたんだ……」
何、聞いてんだろう……。
先生に別に彼女がいたっていいじゃない。
先生に“付き合って欲しい”なんて言われてるわけじゃないのに……。
先生は私の事なんて好きじゃないのに……。
先生にとって私なんて、ただのヤれる女なんだから。
なのに私ったら、そんな当たり前のこと聞いてどうすんの。
バカだ……。
私はバカな人間だ。
「梨音、これは違うんだ……」
違う?
何が違うの?
幸せそうに頬を寄せ合って写ってる写真があるのに……。
「私、帰るね……」
パソコンデスクに写真を置いて、先生の横を通り過ぎようとした時……。
「梨音!待って?」
先生に腕を掴まれた。
まるで、彼氏の浮気がバレたカップルが修羅場になり、彼氏が必死で言い訳しているみたいだった。



