【先生×生徒シリーズ】涙色の空




スケッチブックの最後のページ。


空の絵と同じ色鉛筆で描かれた絵は空ではなく女性の絵だった。


これは私?と思うくらい、そこに描かれた女性の絵は私に似ていた。


軟らかい表情で微笑む女性。


これは私じゃない。


絵の女性と髪型が違うことから自分ではないと確信した。


この女性は誰なんだろう……。


先生の彼女?


先生、彼女いないって言ってたのに……。


嘘だったの?


見なきゃ良かった。


スケッチブックを“パタン”と閉じて、元の場所に返そうとした時……。


スケッチブックの間から何かが落ちた。


私の足元に落ちた2枚の白い紙。


それを見ただけで写真だとわかる。


しゃがんで写真を拾う。


写真を拾う手は微かに震えていた。