先生から渡された鍵で玄関を開けて部屋に入った。
部屋に鞄を置いて、晩ご飯を作るために部屋を出ようとした時……。
「あ……」
パソコンデスクの上に置いてあったスケッチブックが目に止まった。
ロフトにあった青のスケッチブック。
何で、これがここに?
ゆっくりパソコンデスクに近付いて行く。
中を見たらダメだと自分では思ってるのに……。
足はパソコンデスクの前で止まり、スケッチブックに手を伸ばしていた。
ダメ……。
そんな思いとは裏腹に伸ばした手はスケッチブックを持つ。
結んである紐をゆっくり解いてスケッチブックを捲った。
空の絵が描いてある。
次のページも、その次のページも……。
なぜかホッとしている自分がいた。
けど、次のページを捲った私の胸が“トクン”と鳴った。



