金曜日――。
先生の仕事が終わるのを待って、学校に誰も残ってないことを確認してから学校を出た。
先生の車に乗って先生のアパートに向かった。
親には友達の家に泊まると嘘をついた。
オムライスが食べたいと言った先生に、前もってオムライスとサラダとスープの材料を買って来てもらった。
一緒に買い物をしてるとこを誰に見られるかわからないからだ。
先生の車がアパートの駐車場に着いた。
車を降りて、先生の部屋に行こうとした時、先生の「あっ」と言う小さな声が聞こえてきた。
「先生、どうかしたの?」
「タバコ切らしてたんだ。ちょっと買って来るから先に入ってて?」
「うん」
「ほら」
先生が部屋の鍵を投げてきた。
それをキャッチする私。
「すぐ帰って来るから」
先生はそう言って、再び車に乗り込むとタバコを買いに行った。



