「……音?梨音?」


「へっ?」



先生に呼ばれて我に返る。


マグカップを机に置いて先生を見た。



「何か考え事?」


「えっ?」


「さっきから名前を呼んでも上の空で返事もしねぇし」


「あ、ゴメンなさい……」


「どした?悩みでもあるのか?それとも、また親との間で何かあった?」



心配そうな顔で私を見る先生。



「ううん、何でもない」


「ホントか?」


「うん、ホントに何でもないよ」


「ならいいけど、何かあったら溜め込まずに話せよ?」


「うん」



聞けないよ……。


先生と私の関係って何?なんて……。


そんなこと聞けない。


答えはわかってるのに、先生の口から聞くのは怖い。


うざいと思われたくない。


先生と一緒にいられるなら私は先生の性欲処理の道具でも構わない。