先生は私のいれたコーヒーを本当に美味しそうに飲んでくれる。


先生がコーヒーにどれくらい砂糖とミルクを入れるか聞かなくてもわかるようになった。


先生は私の作ったご飯も「美味しい、美味しい」と連発しながら綺麗に残すことなく食べてくれる。


先生ファンの誰も知らないことを知ってる。


先生ファンが出来ないことを私はやってる。


私は特別。


自分の中でそう思っていた。


でも……。


私と先生の関係って何だろう……。


先生は、あの日から私のことを名前で呼ぶようになった。


夏休み中、先生の部屋に遊びに行けば泊まって帰ることもあった。


会えば必ずキスもセックスもしていた。


私の名前は呼ぶけど“好き”や“愛してる”っていう言葉は絶対に言わない。


先生は私に対して恋愛感情はないのかな……。


ただ、セックスしたいからするだけ。


私は先生の性欲処理の道具なんだろうか……。


名前で呼ぶのも恋愛感情があるわけじゃない。


若い先生が生徒のことを名字じゃなくて名前で呼ぶ小説やマンガを見たことある。


友達感覚で名前を呼ぶ。


多分、それと同じ。