「梨音?コーヒーいれて?」
「先生は人使いが荒いね」
「人聞きの悪い。立ってる者は親でも使えって言うだろ?」
「はいはい」
私はクスクス笑って、コーヒーをいれた。
マグカップにインスタントコーヒーの粉を入れて、砂糖と粉末のミルクを入れる。
ポットのお湯を注いで出来上がり。
ついでに自分のコーヒーもいれて、ふたつのマグカップを持って先生のいる席に持って行った。
「はい、どうぞ」
「サンキュー」
私は先生の隣に座った。
パソコンの電源を落として、私のいれたコーヒーを美味しそうに飲む先生。
先生の横顔をチラチラ見ながら、マグカップを両手で包むように持ってコーヒーを飲んだ。