「梨音の家もここも学校から離れてて、幸いここは誰も知らない。この辺りに住んでる生徒も梨音以外いない。しかもこの辺は若いヤツが遊ぶような施設もない。そう思うと、俺達の住んでる環境って恵まれてると思わね?」
「うん、まぁ……」
「だから大丈夫だと思うぞ?まぁ、それでも嫌なら無理矢理は誘わないけど?」
先生がニヤリと笑って私を見た。
「えぇ!」
私は先生の腕を掴んだ。
そんなこと言われたら悩むじゃん。
やりたくないと思っていたことをやらなくていいと言われた途端にやりたくなるみたいな……。
今の私は、そんな心境。
私ってワガママだ……。
「行く?行かない?どっち?」
「い、行く!」
私の答えを先生はわかってたみたいにクスクス笑いながら私の頭をポンポンとした。



