「顔、上げて?」
先生の言葉に首を左右に振る。
「何で?」
「恥ずかしい、から……」
私の答えを聞くと、頬を撫で髪を流していた手を私の顎に添えた。
そして指で顎を持ち上げる。
私の顔は上がり、正面に先生の顔が見えた。
目を逸らそうとした時、先生の唇が私の唇に重なった……。
顎に添えられた手は背中に回り、もう片方の手は私の後ろ頭を支えてる。
“トクン――トクン――”
耳に煩いくらい響く胸の鼓動。
先生の舌が、私の唇を割って入ってきた。
先生の舌が私の舌を捉える。
それに必死に応える私。
角度を変えて何度も何度もキスをする。
ゆっくりと先生が私の体に体重をかけていく。
体重をかけられた私の体は、キッチンの冷たいフローリングの上に倒れていった。



