「先生?ロフトは使わないの?」
注文した宅配ピザを食べながら、そんなことを先生に聞いてみた。
「あそこは物置に使ってるから……」
先生がロフトを見ながらそう言った。
でもロフトを見上げた先生の目は少し悲しそう……。
そう、空の絵を描く理由を尋ねた同じような目をしてる。
ロフトに何があるんだろう……。
「せっかくロフトがあるのに物置にするなんてもったいないね」
「部屋が狭いし、収納もクローゼットしかないから仕方ないよ」
「ねぇ、先生?後でロフトに上がってもいい?」
「いいけど、上がったって暑いだけで面白いもんなんて何もないぞ?」
「それでもいいよ」
ロフトを見上げた先生の悲しそうな目は私の勘違いだったのかな……。
ロフトに行きたいと言った私を先生は拒否しなかった。
うん、多分、私の勘違いだったんだ。
私は自分にそう言い聞かせて、ピザを一口食べた。



